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生活チープサイド

回復と想像力について

伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』読了。

ようやく、「母は死んだのだ」と、頭の切り替えができてきた気がする。
そのきっかけが、伊坂の本を読んだことだ。
いや、伊坂でなくても、「小説」を読んだことが、私にとってはある転機だったのだと思う。

母の状況が厳しくなるにつれて、本がどんどん読めなくなった。
読む本といえば、がんの本、ホスピスの本、死生学の本ばかり。
気持ちが追いつめられるにつれ、小説がまず読めなくなった。
そしてまんがも読めなくなり、音楽しか聴けなくなり、やがて何もできなくなった。
どん底まで行った。

それと同じ順で、私は回復しているのかなと思う。
最初に音楽がやってきて、まんがを読めるようになり、そして小説を読みたくなった。

小説は、想像力だから。
たぶん、人は追いつめられると「想像力」をなくしていくんだと思った。
生きるだけで精一杯になったとき、現実を処理するだけで手一杯になったとき、人は想像力をなくすのだと思う。
動物が極限状態になると、まず生殖能力をなくす。
女なら生理が止まり、男なら不能になる。
それと同じで、たぶん心では、想像力が切り捨てられるのだと思う。

だから、小説を読む、ということは、私にとってほんとうに大切な儀式だったのだ。
読み終えてわかった。
この、何かを取り戻した感じ。
自分の手が帰ってきた感じ。
by sima-r | 2008-08-30 10:25 | Mother
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