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生活チープサイド

使えない図書館

最近は本ばかり読んでいる。
中央図書館が徒歩10分くらいのところにあるので、ベビーカーに本の入ったカバンをぶら下げて出かけている。

でも、この図書館が、もう、使えないったら!!

中央図書館というからにはこの町でいちばん大きな図書館なのだけれど、まず、本が全然ない。
あっても(スペースの関係で)ほとんどが書庫にあるので、わざわざ検索して図書館員に取ってきてもらわなければならない。

私は、何度も書いてきているけれど子供の本が好きだ。
図書館は、子供時代の私にとっては住処みたいなものだった。
家の近くの図書館は普通の図書館だったけれど、今思うととても品ぞろえが良かった。
天井近くまである本棚に、まだ読んだことのない本がたくさんつまっていてわくわくした。

しかし、最近の図書館の児童書コーナーは、本棚がのきなみ低い。
高さが腰くらいまでくらいしかない。
そうすると、当然置場がないから本が書庫にしまわれてしまう。

大人ならいい。
これまでたくさん本を読んでいて、著者名などで検索して探せるんだから。
でも、まだ本を読みなれていない子供には、私は本を物理的に目の前でどっさり見せることが大切なんじゃないかと思う。

たとえば、アーサー・ランサム全集。
たとえばドリトル先生シリーズ、怪盗ルパン。
そういう、10冊以上の長いシリーズが、本棚にぎっちり詰まっているのを見ないとだめだ。
シリーズのほんの1冊だけを申し訳程度に書棚にさしているのでは、その本の後ろに、たくさんのわくわくするものが隠れていることがわからなくなってしまう。
ましてや本が図書館にあるのに書庫にしかないのでは、その本の存在を知らない人は一生その本を目にすることはないだろう。

こんな風に思ったのは、昨日、リーネ・コーバベルの『秘密が見える目の少女』の2巻を読みたくて探したら、1巻と一緒に書庫に入っていることがわかったからだった。
この本は装丁と題名が子供っぽいので大人はなかなか手に取りにくいけれど、すごーく面白いのだ。
人の秘密を目を見ることで暴くことができる「恥あらわし」という力を持つ少女が主人公で、ストーリーはもちろん面白いのだけれど、文章が素晴らしい!
ファンタジーは、いかにその世界をリアルに描けるかが勝負だと思うのだけれど、この作者はそれがとてもうまいと思う。
特に、馬についての描写がいい。
世話や乗り方など、ちゃんと馬がまっとうに扱われている。
そういうことがおろそかにされないので、登場人物の日常がよりリアルになる。

コーバベルの本は、まだこの2冊しか邦訳されていない。(ちなみに訳は『長くつしたのピッピ』の木村由利子さんです!)
だから、その2冊が図書館の書庫にしまわれていたら、それを検索して借りる人はとても少ないのではないだろうか。
こんなに面白いのに!!

本棚がせめて肩までの高さになれば、書庫から出せる本はずいぶん増えるだろう。
誰にも読んでもらえない本ほど悲しいものはない。
どうか、本を読む楽しさを、できるだけたくさんの子供が知ることができますように。
by sima-r | 2010-07-09 10:13 | Days
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日々思うこと。

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