生活チープサイド

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マタニティウェア考

土曜日、第2回目の検診。
午後、帰国中のかいととランチ。
かいとと別れた後、マタニティ服を見に行った。
まだぎりぎり着られるのだけど、ジーンズがおなかに食い込むようになってきたので。

無印でマタニティ用ジーンズを買う。
サイズがよくわからなくて(だってどこまで大きくなるんだろう?)とりあえずLを買ったら、太ももまでぶかぶか。
歩いているとずり落ちてくる。
これでよかったんだろうか…。
最近はマタニティウェアもかわいいのがたくさん出ているけれど、服にそんなに興味のない私は、妊娠期のパンツはこのジーンズ1着で通したいんだけどなあ。

そして、サティで会社用のグレーのワンピースも購入。
会社では制服があるのだけれど、あと1ヶ月くらいで着られなくなる予感がするので。
しかし、オフィスで違和感のないデザインで安い(これ重要)のって、案外ないのだなあ~。
フリルつけたり、チェック柄とかにするのやめてほしい。
今回買ったのも、気に入ったからではなく消去法で。
私の条件は、下記のような感じ。

・とにかくシンプルデザイン
・生地がしっかりしている
・下に制服のブラウスが着られる
・丈が短すぎない(私は背が高いのでこれでほとんど選択の余地がなくなる)

これくらいの条件ならたくさんありそうだけれど、案外ない。
特に、ワンピースは背が高いと丈が調整できないので、丈でほとんどがアウト。
なので、唯一残ったやつを買ったのだけど、家で着てみてがっくりした。

灰色で、肩の部分が太くて大きいボタンがポイントに付いている。(ださい)
両側に、大きめのポケット。(ださい)
相対的にすごく三つ折りソックスが似合う感じ。(ださい)

なんだかこれを着ると、自分がものすご~く人畜無害な人間になった感じ。
害がなさすぎて、お粥みたい。
カレーライスにゃかなわなくても、せめて炊き込みご飯くらいの人間でいたかったのに~。

まあ、制服はしょせん記号だしな…と思ってあきらめます…。
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by sima-r | 2009-06-30 22:28 | Days

メイ嬢の結婚式

土曜日は、メイ嬢の結婚式。
メイ嬢とは、メイ嬢が小学5年生のときに転校してきてから、もう20年以上の付き合いだ。
でも、その中で、この日がいちばんメイ嬢は綺麗で、幸せそうで、もうそれを見るだけで涙が出る私…。
彼女のこれまでの頑張りや、ご家族のこともみんな知ってる。
ちっちゃいころから、何度遊びに行ってご飯までごちそうになったりしたことか。

今回私はスピーチをすることになっていた。
初めてだから心配したけれど、アンチョコを見ることなく話したいことを全部話せたのでよかった!!
いちばん伝えたかったことも、ちゃんとメイ嬢はわかってくれた。
もう、もうもうもう、それだけで私は幸せだ~!!

友達が幸せでいるのって、なんて嬉しいことなんだろう。
ほんとうに、よかったって、たくさんの祝福のシャワーを注いであげたい。
これから先どんなことがあっても、彼女が幸せですように。
何かあったらいつでも私は手伝うし、役に立たなくてもいっしょに困ったりしよう。
ほんとうに、心からそう思った。

そしてまた、友達が幸せでないと感じてることって、とても辛いことだなと思った。
最近ずっと落ち込んでいる大事な友達に、帰りにメールした。
辛いのにどうにもならないことってある。
毎日いいことなくても、でも、何かちょっとおいしいものを食べれば、少なくとも「今日はいいことなかったけど、でも、ごはんはおいしかったな」ってなる。
リフレクソロジーとか行くのも、直接的に体が楽になるからいい。
辛いときはなんでも億劫になってしまうけれど、そうやってまず肉体を労わってあげるのがいいと思う。

食べること、疲れをとること、眠ること。
お風呂にいいバスオイルを入れたり、枕に洗いたてのタオルを巻いたり。
そして、いちばんいいのは、パートナーになんでもいいからいい子いい子してもらうこと。
自分はえらくて、よく頑張ってるって、世界でいちばん好きな人に言ってもらうこと。
パートナーが手近にいなかったら、自分をいちばんわかってくれている友達でもいい。
それが結局は、辛いときはいちばん効くのかもしれない。少なくとも私の場合は。
いま、生きることが辛いと思ってるその友達が、どうかちょっとは楽で元気な気持ちになれますように。
もしどうしても元気が出なかったら、私でよければいつでもいい子いい子しに行ったるぜ!!
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by sima-r | 2009-06-24 21:50 | Days

Make up shadow

日曜日、よっちゃん宅でメイクのレッスン。
今度の土曜日、私の小学校時代からの友人であるメイ嬢の結婚式があるので、メイク力に自信のない私は、メイクアップアドバイザーであるよっちゃんにお願いしてパーティメイクを教えてもらうことにしたのだ。

私はメイク雑誌を実はよく読むほうだ。
でも、スキンケアについてはじっくり勉強するけれど、メイクについてはなんだか自信がなくて、いつも同じメイクばかりになってしまっていた。
雑誌の「モテかわ!ぱっちりうるうるメイク」だの「小悪魔アイ☆でハートをゲット!」みたいな記事を見ると、「すみませんモテようとなんてしてませんごめんなさいすみません!」と、一気に尻込みしたくなる私…。

よっちゃんは友達だけれど、こうやってプロの一面を見せてもらうのは初めて。
顔の右側をよっちゃんがメイクしてくれて、左側はそれをお手本に自分でやるようにしてもらったのだけれど、とてもわかりやすかった。
「アイラインを引いていきます」
というふうに、よっちゃんは必ずその時やっていることを声で教えてくれる。
これって実は、ちゃんと意識していないとできないことだ。

去年、私は母の介護のために泥縄で介護の勉強をした。
着替えの時、清拭の時、食事のとき入浴の時、どんなときでも介護者は相手に声をかけるのが基本だ。
「右側の足から拭いていきますね」
というように。
何も言わずに体に触れられたりするのは、体が緊張してしまうし不愉快なことだから。
よっちゃんは、そういうことが基本として身についていて、それはメイクのプロとして本当に必要なスキルだなあと思った。
できあがったメイクは、自分の顔ながらとても素敵で、ますます土曜日が楽しみになった。
しかも、よっちゃんは、アイシャドウ茶色しか持ってない…という私のために、かわいいアイシャドウのパレットをプレゼントしてくれたのだった。
よ~し、これできれいになっちゃうぞ~。

そして、おみやげに持っていった自家製梅シロップから端を発して、今度よっちゃんといっしょに梅干しを漬けることになったのも楽しみ!
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by sima-r | 2009-06-19 19:48 | Days

出産勉強会へ

土曜日、写真家のダイさんが出産勉強会を主宰するというので、夫と参加。
ダイさんは、自宅をカフェギャラリー兼イベントスペースとして開放していて、そこでさまざまなイベントをやっているのだ。
古い一戸建てを改造してあって、すごく居心地の良い空間。
シーサーやエチオピアの布など、いろんなものがセンスよく飾られていて素敵なところだった。

勉強会では、
1. 自宅出産で助産師さんなしで子供を取り上げたパパ
2. 助産師さんの話
3. 水中出産体験をしたママ

の話を聞くことができて、これがすごく面白かった!

行くまでは、「すごくロハスな人たちばっかりで、自宅分娩以外はダメ!という雰囲気だったらどうしよう…」とけっこうびくびくだったのだけど、そういうかたくななこだわりはまったくなく、笑いあり涙ありの素晴らしい時間だった。
参加者はほとんどが女性で、妊娠していない人ばかり。
区や産婦人科主催の母親学級とかだと妊婦専用のハウツー中心だから、こういう試みはとてもいいなあと思った。

子供を持つ人生と、持たない人生を比べるのはとてもナンセンスだ。
どちらにも、その人だけの幸福や苦労がちゃんとある。
でも、どの人も昔子供だった。
どんな人も、出産のはてに生まれてきている。
だから、出産ということを、子供を持っている人、持ちたい人だけにかぎらず、かつて出産された人たちみんなが、その素晴らしさを分かち合えたらいいなと思った。

助産師さんの話していたことの中に、昔ローマかどこかの王が、生まれてから誰の話す言葉も聞かずに育てたら、その子供は何語を話すのか?という実験をしたという話があった。
しかし、その実験は成功しなかった。
ミルクをやる時も世話をされる時も、誰にも話しかけられなかった子供たちは、一人残らず1歳になる前に死んでしまったのだという。
だから、今生きている人たちは、少なくとも子供時代は、出産してくれた人がいて話しかけながら育ててくれた人がいる。
それはあたりまえのようで、とても大切なことなのだ。

水中出産の体験を話してくれたイズミさんは、フラワーエッセンスのインストラクターのお仕事をされているそうで、今回の勉強会用に「母と子の関係を癒し、自分と子の絆を深める」というフラワーエッセンスを持ってきてくれた。
うわ~、それってまさに私用じゃん!とびっくりして、迷わず購入!
ずっと興味はあったけれど、フラワーエッセンスを使うのは初めて。
どんな風に効いていくのか、とても楽しみ。
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by sima-r | 2009-06-18 20:09 | Maternity

最後の乾杯

ずっとさぼっていましたが、昨年亡くなった母・梅田智江のコミュ(mixi内のコミュニティです)を更新しました。

母は、詩人金子光晴の最晩年の弟子でした。
詩人というのは作品の有無でなく「生き方」そのものなのだ、と、私は母の人生を間近で見て学びました。
苛烈で、純粋。
そんな人が自分を産み育てた人であるというのは、それなりにしんどいことでもありました。

でも、母の人生はほんとうに見事だった。
死の一週間前、もう歩けもしないのに、母と私たち姉妹とで闘病のために借りた部屋へ帰るのだと、強引にホスピスからの外泊をしたことがありました。
歩けないし、何も食べられない。
しゃべるのも苦しいほどの状態だったのに。

私は、そのとき、特上の寿司をとりました。
ビールも買いました。
それは、祝いの席だったから。
3人でやりとげた、がんばったこと全部に、どうしても私は乾杯したかった。

姉は、母の体調を心配し、母のグラスにウーロン茶を注ごうとしました。
すると、母は「ビールじゃないの?」と言って、とてもとても悔しそうにしました。
びっくりするくらい、強い口調でした。

私が「ビールあるよ」と言って注ぐと、母は、ビールを飲みました。
一口でなく、何口も。
水も飲めなかったのに。
固形物なんか食べられない状態だったのに。

そう、絶対に、ビールじゃなきゃならなかった。
乾杯しなきゃならなかった。
私たちはがんばった。
誰が見てなくても、私たちはやりとげた。

その夜は、親子3人で川の字で眠りました。
母は吐いてばかりで、私はほとんど一睡もできませんでした。
でも、幸せだった。

あの日の外泊は、母が命をかけてくれた夜でした。
命をかけて、母というものの力を見せてくれた夜でした。
母は、ほんとうにかっこよかった。
実に、見事な生だった。

今でも、思い出すと涙が出る。
でも、母の命は、死は、最後の瞬間まで光っていた。
3人で飲んだビール、あの冷たさ。
グラスについた水、ソファの皮の足ざわり。
私はずっとずっと、あの部屋の幸せの空気を、匂いを、覚えているのだと思います。
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by sima-r | 2009-06-08 20:44 | Mother

人生を揺るがす衝撃の真実

今日は会社を休み、病院へ。
赤ちゃんの心臓は無事、動いていました。よかった!!
出血のことを話すと、先生は「必ず原因はあるから、心当たりがあるなら気をつけるように」とのこと。
ほんとに反省した、今回のことで。


しかし、それとはまったく別に、私のこれまでの人生を揺るがす衝撃の事実が判明!!
今日は、先日の血液検査(妊娠して最初の検診では、HIVや甲状腺の異常など、いろいろなことを血液検査で調べるのです)の結果を聞けたのだけれど、HIVやら何やらはすべて陰性。
しかし、そのあと、先生がしれっと

「あなたは血液型はB型ですね」 と!!!!!!

衝撃!!!!!
私、これまで32年間、A型と思って生きてきたのに!!!!!!

これまで私が一生懸命やってきた、初恋の男の子との血液型占いだの、会うことは一生ないであろう光GENJIの山本君との相性占い(ちなみに山本君はB型)だの、ananとかの占い大特集で信じてきた私というものが…!!!
呆然とする私に、先生は
「これまで見てきた性格云々はすべて間違っていたわけですね」
とクールに言い放ったのでした…。

生まれたばかりの時の血液型診断だと、母親の血液型と同じ型が間違って出やすいとは聞いていたけれど、まさかそれが自分に起こるなんて思ってもいなかったので、ほんとうにびっくりしました。
「あなたは実は男でした」
っていうくらい驚きました。
人生って面白いな~。

しかし、そうするとほんとうに血液型占いっていうものはあてにならないものなんだなあ。
血液型で性格診断をするのなんて日本と韓国くらいのもので、欧米なんかでは自分の血液型を知らない人もたくさんいるとのことだけれど。

ああ、しかし、ひそかにずっとコンプレックスだったA型。
「A型だから几帳面」というレッテルを、今こそ破り捨てよう!!
ああ、すっきり!!
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by sima-r | 2009-06-08 16:59 | Maternity

出血

土曜日、家でごろごろとすごし、夕方頃トイレに行くと出血していた。
少量だし、鮮血ではないけれど、ああ、やっぱり体に負担をかけていたんだなあと思う。
私が嫌で、辛いと思うことは、おなかの赤ちゃんも嫌で辛いのだな。

もう病院はやっていない時間だったので、夕飯の準備は夫にまかせてずっと寝ていた。
安静にするしか、赤ちゃんのためにしてあげられることはない。

ごめんね、煙草のあるところなんか行って。
臭かったし、寒かったね。
会社も、あんなに休みたかったのに有休が少ないからという理由でフル出勤してしまった。
とても疲れていたから、ちゃんとしたご飯も食べられなかった。
おなかの中で、君もがんばっていたんだね。

今日もゆっくり寝ていよう。
栄養のあるものを食べよう。
君のためにできることは、たったそれだけしかないんだから。
そのたったそれだけもできなかっただめな私だけれど、君のお母さんになれるようがんばっていきたいよ。
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by sima-r | 2009-06-07 11:00 | Maternity

いいことばかりはありゃしない

なんだか生きていくだけで精いっぱいな毎日。
毎日くたくたに疲れてしまい、自炊もこの平日は一日しかできず。
疲れているから外食するのに、外食は元気が出ないので悪いループに入った感じ。

すごく卑屈な気持ちになってしまい、悪いことばかり考えてしまう。
これがマタニティブルーってやつなんだろうか?
先日の煙草の一件以来、煙草が憎くて仕方ない。
あんな、生きていくために必要ないもので、こんなに人を嫌な気持ちにさせるもの、この世からなくなってしまえばいいのに。
いちばん腹が立つのは、煙草を吸う人は煙草嫌いの人がどんなに嫌な思いをしているか気づいてもいないところ。
ほんとうに、ほんとうに、煙草なんか大っ嫌い!!!!

でも同時に、煙草臭いところに行った自分が悪いという気持ちもある。
煙草嫌いでしかも妊婦なら、家に閉じこもってりゃいいのにと世界中から言われている気がする。
そんなときに2ちゃんねるなんか見てしまうと、妊婦や幼児連れの親や障害者は迷惑だから家から出るな、という書き込みがあったりしてさらに落ち込んでしまう。
ニンプはニンプらしく、家でレースでも編んでろっていうのか!

働いて、ごはん作って食べて寝る、もうそれだけで私の生活はいっぱいだ。
昨日、夜に用事があったので時間をつぶすために本屋に入った。
妊娠の本コーナーで、日記帳があったのでどれどれと手にとると、左のページに何か書いてあり、右のページに自分の日記を書くというもの。
左のページには、「3WAYおくるみを手作りしよう!」とか「オーガニックコットンでつくるスタイ(よだれかけ)」といった手作り赤ちゃんグッズの作り方が載っていてぞっとした。
こんなのとても、作る時間も元気もない。

夫は、私がしんどそうなので「会社を辞めてもいいんだよ」と言ってくれている。
でも、私はお金がほしい。
稼いだお金でライブに行ったり、友達と遊んだりしたい。
たいしたことない仕事だけれど、せっかくこれまで頑張ったのだから続けたいという気持ちもある。
でも、自分で続けたいと思っている以上、それで疲れたなんていうのはわがままな気がしてまた落ち込む。
勝手に仕事して勝手に疲れて勝手に文句言ってる、なんてだめな私なんだろう。

混んだ電車は怖いし、優先席でも譲ってはもらえない。
煙草を吸う人は、私が妊娠していると知っていても目の前で煙草を吸う。
でも、電車に乗るのも煙草を吸うところに行くのも私が勝手にしていること。
だから文句を言うのはおかしい、私が間違っている。
でも腹が立つ。そんな自分も情けない。

いろんなものに腹を立てたいけれど、腹を立てさせてくれるものがない。
結局は、煙草が嫌いで妊娠した私が悪い。
でも、煙草が嫌いなのも妊娠しているのも私のせいじゃない。

これがマタニティブルーか。
そんな簡単な名前なんかつけて軽く流してるんじゃないぞ。
妊娠した猫が毛を逆立てて威嚇するみたいに、なんでもかんでもひっかいて唾をはきかけてやる。
嫌われたっていい、夫とうちの猫がいるからいい。
通勤電車で辛くて泣いていたら、降りるときに知らない人に「大丈夫ですか?」と声をかけられた。
恥ずかしいし、みじめで、やけっぱちな気持ち。
週末は絶対にゆっくりするんだ、絶対煙草の煙のあるところには行かないんだ。
煙草を嫌いな人の前で吸う人なんて、全員はげてシワだらけのシミだらけになっちゃえばいいんだ!!!
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by sima-r | 2009-06-05 20:43 | Days

5/30のミッション

5/30、アート集団(ていうのも少し違うのだけど)ミッションポジティブ主催のイベントに行ってきました。
東中野のプリズン東京というライブハウスで、午後14時から夜10時近くまでの長いイベントです。

たくさんの出演者がいたのだけれど、私がいちばん見たかったのは海月光とAKIRAさん。
海月さんは、若干23歳という若さなのに恐ろしいくらいの才能のある歌い手。
AKIRAさんは、母の友人ということから去年の母の闘病を支えてくれて出会った、ミュージシャンであり画家であり作家でありあといろいろ、という多才な人。
とても懐の深い人です。

海月さんは、ものすごいという噂だけは聴いていたけれど、本当にすごかった。
彼女の、世界中のどこにも身の置き所がない、ただただ歌だけしかないというひりひりしたその切迫。
全身で愛を求めているようなのに、安直に手を差し出したら噛みつかれるような野生。
長い前髪の向こうから、鋭い目で睨まれてどきりとする。
慟哭みたいに叫ぶ、孤独で、ぎりぎりで、ただただ歌への衝動だけで生きてる。
そんな印象があった。
なんだか、母にイメージが重なった。



ステージ後、少し話をした。
海月という名前は、金子光晴の「くらげの唄」からとっているのだそうだ。
「心なんてきたならしいものはあるもんかい。」というこの詩。
詩人である私の母は金子さんの弟子だったから、私もこの詩は知っていた。
そうか、この子はほんとうに詩人なんだ。
そう思った。

詩人であることは美しいことではない。
詩人は、人生の闇をみつめ、人が目をそらすことから目をそらせない。
どんなにたくさんの人といても、旅をしても人と出会っても、恐ろしいほどに孤独だ。
幸福な詩人なんて、詩人ではない。
詩人は生き方だ。
詩を書くから詩人なのではない。
やめようと思ってやめられるものではない。
海月光は、その本当の意味での詩人なのかもしれないと思った。

ずっと歌い続けてね、と私は言った。
ステージを降りた海月さんは控え目で心優しい女の子なのだけれど、それを聞いて「はい」と言った。
眼の底で、「歌うことをやめるなんて考えられない」と言っていた。
言うに及ばないことだったかもしれないけれど、私はそれでも、彼女がこれからさまざまな出会いをし、たくさんの苦い思いも超えて、それでも歌うところが見たい。
50になった彼女の歌を聴きたい。
そう思った。

そしてAKIRAさん。
海月光を聴いた直後は、その迫力と声量に「AKIRAさん負けちゃうんじゃない~」とか言っていたのだけれど、始まってみたらやっぱりすごかった。
AKIRAさんは、私が妊娠したことを「梅ちゃん(私の母)が戻ってきた!」とすごく喜んでくれて、「命の歌」という曲を歌ってくれた。
その曲に至るまでの選曲がまた、私にはすごく響く曲ばかりだった。

「びっこのおかあちゃん」は、母を誇れなかった子供の歌
「おさない瞳」は、子供を残して死んでいく母からの歌
「命の歌」は、AKIRAさん曰く母が夢枕に立って書かせたという曲
「家族」は、もう言わずもがなの大名曲。
AKIRAさん、なんすかこの涙なくして聴けない曲順は!

「家族」は、母の闘病のときにずっと聴いていたのもあるけれど、聴いている間、去年の夏ホスピスですごしたあの日々をものすごくリアルに思い出してしまった。
簡易ベッドのごつごつした寝心地、室内のトイレのドアを閉めるときの力の入れ具合、アロマテラピーの精油を置いていた紙タオル入れのカバーの木の手触り。
担当の先生の口紅の色、ロビー、庭のねじ花。
つい昨日までそこに住んでいたんではないかと思うくらい、リアルだった。

ライブが終わって、AKIRAさんは私のおなかに手を当てて「ハローマイマム」を歌ってくれた。
まだそんなにおなかは出てないから脂肪ばっかりですみません・・・と思いながらも、私は嬉しかった。
たくさんの会いたかった人たちにも会えて楽しかった。


本当は、このイベントに来るのは気が重かった。
それは、絶対に!タバコ臭いと思っていたから。
地下の店で換気が悪いし、なぜかこういうイベントに来る人たちはものすごく煙草を吸うものだから。
私は煙草の匂いが世界でいちばん嫌いだ。
さらに今は妊娠して匂いに敏感になった上に、煙草の煙は胎児の心音を弱めるというので不安もあった。
結局、やっぱり来る人来る人みんな煙草を吸うのでとても会場にいられず、会場の外の階段や、そこも臭くなると道路まで出て、夜道ふるえながらAKIRAさんの出番を待っていた。
AKIRAさんの出番が来て、どうしても中で聴きたいからおしぼりを厳重に鼻にあてて聴いていたけれど、それでも隣で吸われると銘柄までわかるくらい臭い。
せっかくのAKIRAさんの歌も、かすむくらいに臭い。

やっぱり、結局は弱い者は強い者に負けてしまうのだな。
こうやって、弱い者は行きたいところにも行けなくなっていくのだな。
強い人たちが、自分たちのせいだとは思いもしないままに。
吸わないで下さいとお願いした隣の席の人が、ごめんねと頭を下げて席を30センチばかりずれて煙草をくわえるのを見て、つくづくとそう思った。

とても楽しかった、けれどとても辛かった。
それが今の正直な気持ちです。
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by sima-r | 2009-06-02 21:36 | Days



日々思うこと。
るい 33歳女子。
<家族> 
夫 (スペハズ)
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今日のピースケ
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