生活チープサイド

岡田 淳さんの講演へ

10/20は、敬愛する児童文学作家である岡田淳氏の講演会へ。
岡田さんは、『二分間の冒険』『扉の向こうの物語』といった「行きて帰りし」冒険ファンタジーをはじめ、『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』『放課後の時間割』『ようこそ、おまけの時間へ』といった小学校を舞台としたファンタジー、「こそあどの森」シリーズのようなメルヘン調の作品を書いている作家だ。
小学生の時に初めて『二分間の冒険』を読んで以来、20年以上もファンだったので、今回の講演会を知って迷わず行くことに決めたのだった。

岡田さんは、38年間、神戸の小学校の図工の先生をしていた。
今年の春、還暦を迎えて退職したことが、今回の講演「僕は小学校の図工の先生をしていた」の企画になったそうだ。
初めて会う岡田さんは、関西弁で面白く、ダンディで優しそうな、目の力の強い人だった。

心に残ったのは、岡田さんは、図工室と図工準備室を、子供が憧れるようないい空間にしたかったということだった。
春まで勤めていた小学校の図工室の写真をスライドで見せてくれたのだけれど、その図工室は、ちょっと嬉しくなるような素敵な図工室だったのだ。

かけ時計の下に、よく見ないと見落としそうな小さな紙粘土の人形が腰掛けていたり、翼を持った小さい人形がつるしてあったり。
窓にはステンドグラス?のようなものが貼ってあるのだけれど、そのモチーフが岡田さんの作品の主人公「プロフェッサーP」だったり。
準備室に続く床には、「許しなく入ったらおしりぺんぺんです」という紙が(もっと面白い言い回しで)置いてあって、見上げると少し怖いような極彩色の人形たち?が天井からのぞいている。
準備室の部屋じゅうに、不思議なかたちの造形物が置いてあり、きわめつけに、壁には本物の船の舵輪が立てかけてあるのだ。
その舵輪は、阪神大震災のときに手に入ったものだそうで、「これ、トイレットペーパーをひっかけたり雑巾を干すのにいいんですよ」という話もまたいい話だった。

図工を好きになるための3つの大切なこと、というのも面白かった。
まず、ものを創ることが好きになること、2つめが人の作品のいいところを認める勇気、そして…3つめが…なんだったか…。
普段、講演会の時には必ずメモを取るのだけれど、今回は急いでいて書くものを持って出ず、肝心のところを忘れてしまった。
たしか、自分の作品を愛する心、だった気がするのだけれど。

その「愛と勇気」についてもいい話を聞いた。
明日の図工の授業で必要なものはなんですか?と生徒に聞かれた時、「筆記用具と愛と勇気や!」と冗談で答えたら、「ハイ」とまじめに受け取られてしまった。
でも、こじつけるようだけれど、愛と勇気は大切なんだ、と岡田さんは言うのだ。
誰かが水入れを倒してしまった時、「大丈夫かな?」と思うのが愛、いっしょになって床を拭いてあげるのが「勇気」なんだよ、と。

講演の最後のサイン会で、いちばん好きな作品である『ようこそ、おまけの時間へ』にサインをしてもらった。
さすが図工の先生、物語に出てくるイバラのつるをくるくるっと描いてくれた。
一生読もう、この本。
岡田さんの物語を探し出してはなめるように読んでいた小学生時代の自分に、20年後には岡田さんに会えるよ!と言ってやりたいなあ。


講演のあとは、池袋リブロ近くの沖縄飲み屋で、大学友人のオリちんと飲み。
オリちんは、私もよく行く大手書店の主任になったとのことで、書店の裏話とか何がこれから売れそうかという話を聞いた。
詩を愛し、文芸の棚の担当でもある彼女は、ポップを工夫したりして茨木のり子の詩集を100冊売ったというからすごい話だ。
みんな頑張っているんだなあ。
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by sima-r | 2007-11-01 00:00 | Days
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